創業者様相談事例(その3)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『創業者様相談事例(その3)』
〔Q&A〕その7:安売り経営は極めて難解です?
〔Q&A〕その8:創業時の事業計画書の注意点!
         絞り込みと地上戦から!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
…前回号からのつづきです。

創業者様からの相談に対するQ&Aを整理します。経営は百社
百様です。故に、これが正解でこれは間違いなどと断定するつ
もりはありませんが、それでもある程度の方向性をお示しする
ことはできます。以下、ご確認ください。

■〔Q&A〕その7:安売り経営は極めて難解です?

●(創業予定者G氏)
『ラーメン屋さんの開業準備中です。注意すべき点をアドバイ
スしてください。』
◎(当事務所担当者)
『貴店の特徴・差別化のポイントを教えてください。』
●(創業予定者G氏)
『おいしいラーメン屋さんはたくさんありますが、けっこう値
段が高いように思います。安い値段、できればワンコイン
(500円)以下で、おいしいラーメンをおなか一杯食べられる
店にしたいです。』
◎(当事務所担当者)
『他店より安いのにおいしいラーメンを作れる理由を教えてく
ださい。』
●(創業予定者G氏)
『…沈黙…』
…つづく

※「良いものを安く」これは概念であって実体ではありません。
論拠なく「良いものを安く」提供したら、うまくいかなければ
売れない、うまくいっても繁盛貧乏、いずれも成功ではありま
せん。中小企業が低価格を狙う時、商売はほぼ失敗します。
やめましょう。

■〔Q&A〕その8:創業時の事業計画書の注意点!絞り込みと
地上戦から!

45歳の創業予定者様からのご相談です。自己資金200万円、創
業融資希望額400万円、創業資金の主な使途はWEB開発とWEB
プロモーションです。WEB開発とプロモーション投資で300万
円を予定しています。事業計画書も持参されました。
・WEB受注で初年度年商1,500万円、利益100万円。
・人を増やしながら3年後には年商6,000万円、利益500万円。
細かい与件もびっしり書かれた緻密な計画書です。

●(創業予定者H氏)
『社員教育のコンサルタントを始めます。私は、某大企業で教
育担当をしていました。新入社員から幹部候補生まで、幅広く
対応できます。実績をあげてきました。コンテンツもたくさん
持っています。ホームページを立ち上げて受注します。』
◎(当事務所担当者)
『前職ルートでの受注は期待できますか?』
●(創業予定者H氏)
『前職のルートは使いたくないので、自前(WEB)で受注しま
す。』
◎(当事務所担当者)
『教育と言うテーマは広いですが、教育の中では何が得意です
か?』
●(創業予定者H氏)
『特に限定したくありません。教育全般に自信があります。』
◎(当事務所担当者)
『営業対象はどんな先を想定していますか?』
●(創業予定者H氏)
『すべての業種が対象です。』
※実績も実力もありそうなH氏ですが、成功確率を更に高くす
るための施策について議論しました。成功確率を更に高めるた
めには…

◆1.サービスを限定するべきです。
◎(当事務所担当者)
『教育と言うテーマは広いですが、教育の中では何が得意です
か?』
●(創業予定者H氏)
『特に限定したくありません。教育全般に自信があります。』
※テーマ・分野の絞り込みが必要です。

◆2.営業対象を限定するべきです。
◎(当事務所担当者)
『営業対象はどんな先を想定していますか?』
●(創業予定者H氏)
『すべての業種が対象です。』
※営業対象の絞り込みが必要です。

◆3.空中戦の営業に打って出る前に、地上戦で勝負しませんか。
◎(当事務所担当者)
『前職ルートでの受注は期待できますか?』
●(創業予定者H氏)
『前職のルートは使いたくないので、自前(WEB)で受注しま
す。』
※まずは、前職ルートをうまく活用した営業、縁故の営業から
始めるべきです。

◆4.投資のバランスに注意
◎(当事務所担当者)
『WEB開発もWEBプロモーションも悪くありませんが、資本金
200万円の会社が、このタイミングで300万円の投資を行います
か?確信はありますか?』
●(創業予定者H氏)『そうかもしれません。』
…つづく

事業計画書を作り直してもらっています。
1.教育分野の中の、本当に強いテーマに絞って、商品化して
もらいます。
2.上記のテーマに合いそうな営業先に絞り込んだリストをま
ず100社探してもらいます。
3.縁故先企業を、30社探してもらいます。
4.1のテーマで、2を対象にしたWEBを低コストで開発します。
同時に足で受注に走ってもらいます。対象を限定したDM等も検討
してもらいます。

新しい指針の事業計画でも、数値計画は当初と同程度狙えます。
足元から地道に攻めることは、決して遠回りではありません。
むしろ近道です。また、創業融資申請時には、新しい指針の方
がはるかに高い評価を得られます。

『大きくなるためには、大きなマーケットを幅広い商品・サー
ビスで攻めることが良い』と勘違いしている人は少なくありま
せん。
これは、明らかな間違えです。

◎『大きくなりたいなら、敢えて絞り込んだマーケットを特化
した商品・サービスで攻めるべき』と理解してください。

貴社は大丈夫ですか?再度確認してください。

創業融資専門家コラムの最新記事

創業資金のお悩み無料相談受付中! 0120-316-211 受付時間 9:00〜18:00(平日) お気軽にお電話下さい 無料相談の詳細はコチラ
ページ上部へ戻る