『中小企業向け【新・人事方針】の提言!(その2)』 …離職率を下げる7つの施策!

前回号のつづきです。

人は一定比率辞めます。人の価値観や生き方は百人百様なので
仕方ありません。一方、程度を超えて離職率の高い会社があり
ます。この会社には、何らかの重大な問題があります。採用を
上手に行っても、離職が絶えない会社は極めて不効率です。従
業員のスイッチングコストは相当高くついているはずです。離
職の原因と対策について考えてみましょう。

以下、離職率が高い中小企業の特徴と対策を整理させていただ
きました。

■1.給与・報酬が不適切(安い)

中小企業は資金や予算の制約があり、従業員の給与や報酬が市
場水準に比べて低い傾向があります。これにより、従業員は経
済的な安定や成長の機会を求めて他の企業に転職する可能性が
高まります。また、昇進や昇給の機会が限られる場合もありま
す。

■2.キャリア開発の機会が少ない

中小企業では組織規模が小さく、従業員のキャリア開発や成長
の機会が限られる場合があります。従業員は自身のスキルや経
験を活かせる環境やキャリアパスを求め、成長の機会を提供し
てくれる他の企業に魅力を感じる可能性が高いです。キャリア
開発のサポートやトレーニングの不足が離職率の上昇につなが
ることがあります。

■3.人事制度や評価が不透明

中小企業では、人事制度や評価基準が不透明であったり、公正
性や透明性が欠ける場合があります。従業員は自身の成果や貢
献が適切に評価されないと感じ、モチベーションの低下や満足
度の減少に繋がることがあります。公正な評価基準の策定やフ
ィードバックの提供、キャリアプランニングのサポートなどが
不足している場合も離職率が高まります。

■4.労働環境が悪い

中小企業ではリソースの制約や業務の過重な負担があるため、
労働環境が悪化することがあります。従業員は過労やストレス
により心身の健康を損なうことがあり、これが離職の要因とな
る可能性が高まります。柔軟な労働時間や休暇制度の不備、適
切な業務負荷の配分や労働環境改善の取り組みの不足が労働環
境の悪化につながることがあります。

■5.コミュニケーション不足

中小企業では情報の共有やコミュニケーションの活発さが不足
している場合があります。経営者や管理職とのコミュニケーシ
ョンの欠如や情報の非公開化、チームや部門間のコミュニケー
ションの欠如が従業員の関与度やモチベーションを低下させ、
離職率の上昇につながることがあります。適切なコミュニケー
ションチャネルの確立や情報共有の文化を醸成する取り組みが
必要です。

■6.少ない福利厚生制度

中小企業では福利厚生制度や労働条件が充実していない場合が
あります。従業員は労働条件や福利厚生面での不満を抱き、他
の企業への転職を検討することがあります。福利厚生制度の改
善や柔軟な働き方の導入などが従業員の満足度向上や離職率低
下に寄与します。

■7.リーダーシップや組織文化の問題

中小企業の経営者や管理層のリーダーシップや組織文化が問題
となることがあります。経営者のビジョンや価値観の欠如、組
織内のコミュニケーションや協力関係の欠如、意思決定の遅延
や不透明性、従業員へのリーダーシップやサポートの不足など
が離職率の上昇につながることがあります。リーダーシップの
強化や組織文化の改善が求められます。

中小企業における離職率の問題にはこれらの要素が関与してい
ることが多いです。中小企業経営者は、給与・報酬体系の見直
し、キャリア開発の機会提供、評価制度の透明性向上、労働環
境の改善、コミュニケーションの活性化、福利厚生制度の充実、
リーダーシップの強化など、これらの課題に取り組むことで離
職率の低下を図る必要があります。

繰り返しますが、従業員のスイッチングコストは相当高くつい
ているはずです。採用より定着にリソースを投入してください。


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